<弘道館と斉昭像>

  

  

  

−斉昭の書簡−

 斉昭が佐藤一斎に与えた書簡の趣旨を要約
すると
 『これまで水戸藩には学校が無かったの
で、新しく建てようと新任以来工夫してき
た。思うに世間では学問と政治が別なものと
考え、また和学と漢学とが分離していて、古
事記、日本書紀を一度も読んだことがない漢
学者がいる反面、六経の一端を解し得ない和
学者もある。その上文人は、刀槍などの武芸
をいやしく思い、武人は読書を恥ずべきこと
とする風がある。また武人でも文人でもな
い、役人風というのもあるようだ。だから、
学校では文武を合わせ和漢を兼ね、治教を一
つにして、誰でも日本に生まれてきた以上は
神道を尊び、武道を心がけ、聖賢の道を学ん
で、外国人と異なる日本的自覚、鳥獣と異な
る人間的自覚を得させたいと思う。』という
ものである。
 また斉昭は、自著「告志篇」で士民に配っ
て、新政の理想と人々の心構えを論じたりも
しました。これが斉昭の、理想の学校(弘道
館)構想の基礎であります。
  
参考;水戸藩弘道館とその教育(名越時正)著

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