<菜の花と偕楽園>

  

  

  

−偕楽園−

 金沢の兼六園や岡山の後楽園と並んで、天
下の名園として名高い水戸の偕楽園は、弘道
館とならび、その名を全国に広く知られてい
ます。その弘道館が、藩士らの文武修業の場
所であるのに対して偕楽園は、「修業の余暇
を利用して休養をとる場所」という位置づけ
になっています。つまり偕楽園は弘道館の付
属補完的な性格をもっているのです。
 偕楽園の名称は、中国の古典である『孟
子』の、
「古(いにしえ)の人は民と偕(とも)に楽
しむ、故(ゆえ)に能(よ)く楽しむなり」
 という一節からとったもので、『偕楽園
記』では「是(こ)れ余(よ)(斉昭)が衆
(しゅう)と楽みと同じくするの意なり」と
述べられています。
 興味があることは「弘道館も偕楽園も設立
前に、その設立の趣旨を記した碑文が先にで
き上がっていたこと、そして、弘道館の場合
は、建設時にはまだ正式に館の名称が決って
いなかったのに対し、偕楽園の名称はすでに
決定していた。」ということです。

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