<偕楽園の竹林>

  

  

  

−偕楽園散策と好文亭−

 偕楽園の表門から入って進むと、竹林と杉
林のやや薄暗い道をたどって、静寂を味わう
ことができます。そこをぬけ広場に出ると、
こんどは一面に広がる梅林と眼下に広がる千
波湖を望むことになります。園の設計は陰と
陽、人々を幽玄の世界に引きこむように作ら
れています。また手のこんだ造形のない自然
のままの偕楽園は、散策する人々に、思策の
場を与えているといった感じさえします。
 そんな雰囲気を楽しんだ後に、好文亭の三
階にのぼってみれば、借景を利用した自然の
大空間を見ることができるでしょう。
 しかしその好文亭の眺めの中、東の海岸の
方、異国船渡来などの異変があった時に、烽
火(かがりび)などで連絡することができ
る、という軍事的視点による役割もあったと
もいわれているのです。(弘道館は当時出没
した外国船に脅威を抱いたり、国の改革を進
めるため、人材を育てる必要を感じ設立され
た。)このことは、実践を重んじる水戸学な
らではの考え方だといえます。

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